はなまき3出荷しました
今回出荷した牛は、いぶさな牛つる(竹の谷蔓牛)です。
平成29年6月14日にいぶさな農場で生まれました。
いぶさな農場にしかいない遺伝的要素をもつ牛
この蔓牛の母親系統は、私の農場にしかいない特有のミトコンドリアDNAを持っています。
ちなみにミトコンドリアDNAは母親から受け継がれます。
竹の谷蔓牛自体、現代の黒毛和牛とは遺伝的に離れていることがわっかております。
それに加えていぶさな農場にしかいないミトコンドリアDNAを持っている竹の谷蔓牛がいるので、牛が良いとか悪いとかの前に遺伝子の多様性も考慮することが大事です。
日頃からそれらの遺伝子がうっかり失われてしまわないことを意識しています。
遺伝子はお肉の味に影響するの?
お話した通り、竹の谷蔓牛は現代の黒毛和牛とは離れた遺伝子をもっていますが、それは味と関係があるんでしょうか?
一般的には味(風味)は牛肉の脂肪の中に含まれている不飽和脂肪酸含有量が影響していると言われています。
不飽和脂肪酸は常温では液状です。植物油に多く含まれています。
オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸などがあります。
揚げ油のボトルの表紙に書いてあるものもありますね。オレイン酸入りとか。
この不飽和脂肪酸を増やすために、エサや温度などの環境を整えて美味しい牛肉を作ろうと試行錯誤しています。ですが、どのくらいまで不飽和脂肪酸を増やせるかは遺伝子の影響を受けると言われています。
正直いいますと、実際のところは様々な要因が複雑に絡み合うの私にはよくわかりません。
ですが、いぶさなの牛肉(竹の谷蔓牛および竹の谷蔓牛系統牛)は現代の黒毛和牛とも見島牛とも根本的な味・風味がはっきりと異なります。
きっと何かが違うんでしょう。これがちょっとした遺伝子の違いかな?と思ったりもします。
ですが、遺伝子の違いがあるから美味しいわけではないと思います。
竹の谷蔓牛だから美味しい、見島牛だから美味しい、但馬だから美味しい。そんな単純な話ではありません。
作り手(生産者)がどのように考えているか、そしてそのお肉をどう思って食べるか(消費者の意識)も大事になってきます。
いぶさなの牛肉の美味しさの指標は私が美味しいと感じるかどうかです。美味しいと思えるお肉になるようコツコツと作り上げてきました。ですがまだまだ先があると思っています。
それに、味覚は人それぞれ。
それぞれの感想がありますので、各々で楽しんでいただけたらと思います。
もしいぶさなのお肉が美味しいと感じたのなら私と気が合う人かしら?だといいなぁと思います。
時々『参宮橋いぶさな』に立ちますのでその時はご一緒したいですね!